むかし、あるところに一人のお姫様がいました。お姫様は一台の機械をもっていました。その機械は予言をする機械でした。舞踏会のドレスを選ぶときなどはいつも機械に相談していたものです。
さて、お姫様もお年頃となり、二人の求婚者が現れました。一人は隣国の王太子、もう一人は大臣の息子でした。末娘のお姫様にとって、隣国の王太子と結婚できるのは望外の幸せと言って良いでしょう。しかしお姫様はハンサムな大臣の息子の方が好みでした。お姫様はいつものように機械に相談してみました。ところが、機械はいつものようには答えてくれません。問題が難しすぎるのでしょうか。
翌日もまた聞いてみました。しかし、答えはありません。
一週間聞き続けましたが、やはり答えはもらえませんでした。
お姫様はあきらめて自分で考えることにしました。国の安定より自分の幸せだわ、と最後には大臣の息子と結婚することに決めました。
お姫様はハンサムな彼と幸せに暮らしましたとさ。
え、機械はどうしたのかですって？ それは深く考えました。深く深く考えて、考えて考えている間にお姫様は年を取り、子供が生まれ、孫ができました。ついに機械は答えを見つけました。その答えは…まあ、言っても詮ないことですね。
B.G.M. Noel by Eccentric Opera