2001年3月の読書

Ruby を 256 倍使うための本 無道編

アスキーが ruby の肩ばかり持つので python 好きとしてはくやしいこのごろ。 がんばれオライリー。 …というのはともかくとして、今回はパーサジェネレータのお話。 yacc みたいな racc というライブラリーの解説で、 デバッグセッションの話のところが面白かった。

Python では SPARK というパッケージでインタプリターとか書けるのだが、 今度その使い方の解説とか書こうかな。

書誌情報 : Ruby を 256 倍使うための本 無道編
著者青木峰郎
題名Ruby を 256 倍使うための本 無道編
出版者アスキー
出版地東京
ISBN4-7561-3709-1
発行2001-03-01 初版

ニュータウンは今

多摩センターの住人がおおむね住環境に満足しているというのがまず意外だった。 個人的な感想を述べさせてもらえば、あそこは息苦しい。

それはさておき、この本では高齢化問題が大きく取り扱われている。 今後の日本の急激な高齢化を見極める上で、ニュータウンにおける高齢化問題は一つの試金石になりそうである。

書誌情報 : ニュータウンは今
著者福原正弘
題名ニュータウンは今
出版者東京新聞出版局
出版地東京
ISBN4-8083-0648-4
発行1998-08-21 初版

これは王国のかぎ

西の善き魔女」には外伝もあるはずだが、図書館にあったのがこちらの「これは王国のかぎ」だけだったので先に読むことにした。 アラビアンナイトを下敷にしたファンタジーというのは珍しい。

子供向けとまでは言わないが、ヤングアダルト向けか (ファンタジーというジャンル自体がそう扱われている気もしないでもないが)。 まあ、楽しめます。

書誌情報 : これは王国のかぎ
著者荻原規子
題名これは王国のかぎ
出版者中央公論新社
シリーズC★NOVELS
出版地東京
ISBN4-12-500614-8
発行1999-09-25 初版

世代の経済学

財政赤字はマヤカシだ。 ベビーブーム世代は不当に損をしている。 という本。

世代間の負担の格差をこそ解消すべきである、というのはまあいいとして、 財政赤字なんて「言葉の問題」と言い切るのには、驚いた。 経済学の知識が無いからどのぐらい異端なのか判らないけれども、 出版されてから10年近く経った今でも政府は財政健全化を唱えているのだから、 主流派にはならなかったのであろう。 正直、この本をどう読めばいいのか良く解らなかった。

書誌情報 : 世代の経済学
著者ローレンス・コトリコフ
訳者香西泰[監訳]
題名世代の経済学
出版者日本経済新聞社
出版地東京
ISBN4-532-13049-2
発行1993-10-25 1版1刷

モバイルコンピューティング

この著者は夢を見過ぎである。 特に仮想ペットのくだりは正気の沙汰とは思えない。

書誌情報 : モバイルコンピューティング
著者塚本昌彦
題名モバイルコンピューティング
出版者岩波書店
シリーズ岩波科学ライブラリー
出版地東京
ISBN4-00-006577-7
発行2000-12-22 第1刷

さよならダーウィニズム

生物学的な話は面白く読める。 DNA を「解釈する体系」の重要性の指摘はなるほどと思わせる。

一方で物理学に関する話を生物学との対比として持ち出すのだが、その部分はいかにも素人臭くてとても読めたものではない。

書誌情報 : さよならダーウィニズム
著者池田清彦
題名さよならダーウィニズム
出版者講談社
シリーズ講談社選書メチエ
出版地東京
ISBN4-06-258120-5
発行1997-12-10 第1刷

書物

最初の版が昭和18年に出たと言うのだから年代の古さは仕方あるまい (読んだのは岩波文庫であるが)。 それを補って余りある面白さ。 楽しい読書の時間であった。 殊に、前半の森氏の部分は現代にも通づる指摘に思われる。

書誌情報 : 書物
著者森銑三 / 柴田宵曲
題名書物
出版者岩波書店
シリーズ岩波文庫
出版地東京
ISBN4-00-311531-7
発行1997-10-16 第1刷

なぜ国家は衰亡するのか

現在日本が衰亡に向かっているなんて考えたこともなかった。 というか繁栄も衰亡も個人的な感覚には関係ないのだろう。 たぶん、全体を積分して初めて目に見えるベクトルになるようなものなのだ。 つまり、意識して全体を眺め渡す目を持った場合にのみ可能な思考である。 意識してみるべえか。

書誌情報 : なぜ国家は衰亡するのか
著者中西輝政
題名なぜ国家は衰亡するのか
出版者PHP 研究所
シリーズPHP 新書
出版地東京
ISBN4-569-60311-4
発行1998-11-04 第一版第一刷