２００１年３月の読書

• Ruby を 256 倍使うための本 無道編
• ニュータウンは今
• これは王国のかぎ
• 世代の経済学
• モバイルコンピューティング
• さよならダーウィニズム
• 書物
• なぜ国家は衰亡するのか

Ruby を 256 倍使うための本 無道編

アスキーが ruby の肩ばかり持つので python 好きとしてはくやしいこのごろ。 がんばれオライリー。 …というのはともかくとして、今回はパーサジェネレータのお話。 yacc みたいな racc というライブラリーの解説で、 デバッグセッションの話のところが面白かった。

Python では SPARK というパッケージでインタプリターとか書けるのだが、 今度その使い方の解説とか書こうかな。

ニュータウンは今

多摩センターの住人がおおむね住環境に満足しているというのがまず意外だった。 個人的な感想を述べさせてもらえば、あそこは息苦しい。

それはさておき、この本では高齢化問題が大きく取り扱われている。 今後の日本の急激な高齢化を見極める上で、ニュータウンにおける高齢化問題は一つの試金石になりそうである。

これは王国のかぎ

「西の善き魔女」には外伝もあるはずだが、図書館にあったのがこちらの「これは王国のかぎ」だけだったので先に読むことにした。 アラビアンナイトを下敷にしたファンタジーというのは珍しい。

子供向けとまでは言わないが、ヤングアダルト向けか （ファンタジーというジャンル自体がそう扱われている気もしないでもないが）。 まあ、楽しめます。

世代の経済学

財政赤字はマヤカシだ。 ベビーブーム世代は不当に損をしている。 という本。

世代間の負担の格差をこそ解消すべきである、というのはまあいいとして、 財政赤字なんて「言葉の問題」と言い切るのには、驚いた。 経済学の知識が無いからどのぐらい異端なのか判らないけれども、 出版されてから１０年近く経った今でも政府は財政健全化を唱えているのだから、 主流派にはならなかったのであろう。 正直、この本をどう読めばいいのか良く解らなかった。

モバイルコンピューティング

この著者は夢を見過ぎである。 特に仮想ペットのくだりは正気の沙汰とは思えない。

さよならダーウィニズム

生物学的な話は面白く読める。 DNA を「解釈する体系」の重要性の指摘はなるほどと思わせる。

一方で物理学に関する話を生物学との対比として持ち出すのだが、その部分はいかにも素人臭くてとても読めたものではない。

書物

最初の版が昭和１８年に出たと言うのだから年代の古さは仕方あるまい （読んだのは岩波文庫であるが）。 それを補って余りある面白さ。 楽しい読書の時間であった。 殊に、前半の森氏の部分は現代にも通づる指摘に思われる。

なぜ国家は衰亡するのか

現在日本が衰亡に向かっているなんて考えたこともなかった。 というか繁栄も衰亡も個人的な感覚には関係ないのだろう。 たぶん、全体を積分して初めて目に見えるベクトルになるようなものなのだ。 つまり、意識して全体を眺め渡す目を持った場合にのみ可能な思考である。 意識してみるべえか。